那須温泉(19年年越し)

 何年か前から一度は温泉宿で年越しをしようか、なんて言いながら口だけで終わっていたが、やっと実現することになった。きっかけは、来年結婚40年目だなーと気付いたこと。たまには何もせずゆっくりと正月を迎えさせてやろうと決めたのは12月の半ば、近いところでいいというので県内の宿をネットで探したがなかなか見つからない。目星を付けた宿は31日は何処も満室なのだ。年末年始の特定日で、倍近い料金のところもあるのに、よくぞこんなに客がいるものだと感心する。結局JTBに電話、4件紹介された中からウェルネスの森那須を選んだのである。1泊26,300円は痛いが、それでも安いほうで、この時期いたし方あるまい。

1日目
 特に寄り道する予定もなく、宿直行を決め込んで午後出発。予報では今日、明日とも天気はよさそうなので、燃費のいい妻の車で出かける。何しろこのところのガソリンの高騰には閉口しているのだ。ところがである、途中から空模様がおかしくなり、那須に近づくと雪が舞い降りてきて、次第に本降りの様相になってきた。

こりゃーしまった、やっぱり自分の4駆で来るべきだったか、と思ってももう後の祭りである。でも宿の標高はさほど高くないので今日は問題ないだろう。ただこのまま降り続けば明日が心配、ダメならもう一泊しようか、なんて冗談を言いいながら無事宿に到着したのは3時過ぎと早かった。

ところがフロントでチェックインをすると、夕食は5時半と8時の設定で、8時しか空いていないと言われがっかり。でも多分早く準備出来るだろうというので期待する。皆さん宿でゆっくり大晦日を迎えようということか到着が早いんだねー。部屋に入ると洋風でかなり広く、ソファー、マッサージチェア、液晶テレビなどがゆったりとした感じで置いてある。

そして窓の外を見ると、おー、いい雪景色だーと思わずでる声。そこには雪化粧をしたばかりのゴルフ場が広がり、まさに自然のプレゼントである。そんな雰囲気の中では、片手にブランデーなんていうのが似合いそうだが、持参した缶ビールと柿の種だ。それでも先ずは満足のカンパーイとなったのである。しかしこのまま降り続いたら明日困るなーと思っていたら、あっという間に青空がでてきた、何とついている事なんだろう。

   
   
洋風の広い部屋だ      窓の外は雪景色     あっという間に青空が

夕食までの時間はたっぷりある。一息ついたところで源泉掛け流しという温泉へ、浴槽はさほど大きくはないが、混雑していないのでゆっくりできる。残念なのは、雪見風呂かと期待した露天風呂が、目隠しの仕切りで自然の風景を遮断していたこと、舞い落ちる雪が見られただけでも良しとするか。

風呂から上がる頃にはもう日も沈んでいた。部屋に戻り何気なく窓の外を見ると、何とイルミネーションのお出迎えだ。庭に飾り付けられたイルミネーション、部屋がその中央に位置していたのもラッキー、そして雪がその美しさを何倍にも増幅してくれたのだ。これを見ればまたブランデー、いやビールもすすもうというものだ。

   
      
  内湯            露天風呂        イルミネーション

夕食は期待通り早目の7時となった。案内されたのは、先ほどのイルミネーションがよく見える窓際のテーブル、初めて経験する大晦日の夕食には打ってつけての舞台装置である。まずはワインとビールでカンパーイ。料理はまずまずの味といったところだろうか、中でもカニ味噌のスープは大変美味かった。ただかんじんの熱燗はイマイチだったなー。

コタツでテレビを前にチビチビやりながらという例年のゆったりした気分とはいかなかったが、それなりに楽しみ、妻は開放感を味わったことだろう。食後は部屋で一休みした後、今年最後の露天風呂へ、雪は既に止んでいた。年越そばのサービスもあったがパスし、カウントダウンマジックショーをみて新年を向かえ、New Year ビンゴゲームに参加して部屋に戻るともう限界であった。

2日目
 ゆっくり起きて初風呂へ。それを待っていたかのように雪がチラつく。元朝に雪の舞い散る露天風呂、気分は最高である。朝食はバイキング、レストランに行くと入り口の酒樽が目を引く。振舞酒で、枡に注いでもらえるのだ。しかし今日は運転手、道路は濡れた状態でノーマルタイヤでも問題ないが、妻に運転を頼むわけにはいかず、じっと我慢の政であった。

料理の種類はちょっと少なかったが、とりあえず選んで席に着くと、お節料理とお雑煮が運ばれたきた。こうなるとやっぱり・・・、両隣のテーブルには枡が2つずつ、連泊なんだろうなー。邪念を振り払い食事を楽しむことにしたら、ちょっと食べ過ぎてしまった。

部屋に戻り一休みしたところで、餅つきがあるというので行ってみる。臼が2つ、宿の人がついていて、ある程度つけたところで宿泊客につかせる。政やんも昔とった杵柄と参加し一汗ながした。その後はあんこ、きな粉、なっとう餅などにして振舞われ、美味しいといって食べていた妻の食欲には感心した。

   
  
お節料理とお雑煮(左)     昔取った杵柄で       ウエルネスの森

宿を出たのはチェックアウト時間の11時ちょうど。せっかくだから少し上まで行ってみようかと走りはじめたら、間もなく路面はシャーベットに変わる。こりゃーまづいと引き返し、西那須野ICへと向かう。途中、道路脇の林は思った通りの雪化粧であった。

そしてICの手前、千本松牧場の脇にある道路の先に何があるのか、いつも気になっていたので進入してみる。するとそこは那須野が原公園であった。広い駐車場に車を止め、近くに展望塔らしきものがあるので行ってみると生憎正月で休館だ。側にある人造湖?には鴨の大集団、そして散策にもってこいの自然豊かな広場がつづく。ひんやりとした空気を吸いながら取り過ぎたカロリーを消費しようとささやかな努力を試みる、でも気持ちよかったー。今年はいい年になるだろうか。

   
    
雪化粧の中を走る     那須野が原公園の展望塔と自然豊かな広場